こんにちは、”自分迷子”の方を応援しています。
ライフコーチの石原瑶子(@kanaeruyoko)です。
このページでは、コーチングの用語について解説していきます。
今日は「フィードバック」について。
その他の用語についてもページ下部にリンクを貼っています。
良かったらご参考まで。
フィードバック
意味
フィードバックとは、コーチがクライアントから見たり聞いたり、感じたりして受け取ったものを鏡のようにクライアントに返すことです。
もともとフィードバックというのは、科学用語で、
「帰還」と訳され、ある系の出力(結果)を入力(原因)側に戻す操作のこと
だそうです。
軍事用語では、「弾道から標的がどれくらい外れたかを知らせるもの」という意味で使用されていたんだとか。
コーチングにおけるフィードバックでは他人の目からどう見えているか(事実)を、言葉にして返すことがフィードバックです。
クライアントはそのフィードバックを受けることで、客観的に自分自身を見ることになり、視点が拡がります。
ただし、フィードバックする際には踏まえるべき点があります。
原則
フィードバックには2つの前提があります。ただ、見たものや聞いたこと、感じたことをいたずらに返せばいいというものではありません。
フィードバックの前提
まずフィードバックの前提として以下2つのことがあります。
- コーチとクライアントが同じビジョンを共有していること
- フィードバックしても良いと同意が取れていること
これらが踏まえられていないフィードバックは、効果がありません。たとえば、増量したいと思っているクライアントに対し、痩せてスリムになって、見た目がかっこよくなりましたね!なんてフィードバックは無意味です。どこに向かいたいのか(ビジョン)を共有しておく必要があります。
また、フィードバックは「フィードバックしても良い」と相手からの同意が必要です。フィードバックは受け取る側の準備も必要ですし、どのタイミングでフィードバックをしてもらうかによっても効果が違ってきます。
クライアント自身が、フィードバックを受け取るにはまだ準備が必要だと判断するかもしれませんし、今は聞きたくないという心理状態かもしれません。そんな状態の時に無理やりフィードバックしてしまうと、フィードバックが機能せず、批判・否定になりかねません。
私が経験したことの事例では、ある男性コーチがある集まりで、ある私にいきなり「痩せた方が良いよ!!これフィードバックね(笑)」と伝えてきました。
これはフィードバックと言えるでしょうか?
答えはNO。これはフィードバックとは違います。
私は彼と、ビジョンの共有はしていませんでしたし、痩せたいというゴールも特になし。フィードバックをしていいという同意もありませんでした(笑)これは、場合によってはセクハラと言われるかもしれませんよね。
では、フィードバックの前提について理解いただけたところで、効果的な伝え方について話を進めます。
伝え方
フィードバックの伝え方としては、様々あります。下記に一例をあげたいと思います。
- I メッセージ
- YOU メッセージ
- WE メッセージ
- タイプ別に伝える
I メッセージ
主語が「わたし(I)」
事実+感じたことで表現。自分の感じたことをそのまま伝えるのに適しています。
ちなみに余談ですが、I メッセ―ジで伝えるには、事実+感じたことが自分でキャッチできないといけません。ですので、自分とのコミュニケーションや感じることが下手な人はI メッセージが苦手な傾向にあるんじゃないかなと思います。
例)私は、あなたの口調からあなたがいらっとしたように感じました。
I メッセージは話し手が感じたことです。なので、受け取るか受け取らないかは相手が選べるスタンスです。例えば先程の例文だと、「そうなんですね(あなたはそう感じたんですね~。)でも、いらっとはしていませんよ」という感じで返しやすくないですか?
これがYOUメッセージの場合だと以下です。
YOU メッセージ
あなた(YOU)が主語。こちらは、I messageと違い、客観的な事実を伝えるときに向いています。
例)あなたはいらっとしましたね。
先程のI メッセージと比べて、ちょっと強制力を感じませんか?YOU メッセ―ジだと、指示や命令のように感じやすいと言われています。
「イラっとした」は伝える側の主観なので、それをYou messageにしてしまうと伝える側は意図しなくても、受け取る側は評価された、断定されたという風に受け取ってしまうことも。Youメッセージで伝えるときは、注意が必要でしょう。
一般的には、I メッセージを推奨される場面は多いですが、私はコーチングセッションの中でYOU メッセージを意図的に使う場面もあります。「自信がない」「自分のことがわからない」といつも言っているようなクライアント明らかに変わった時です。
「自信がない」と言っているクライアントだとI メッセージよりYOU メッセージが響くときがあります。私が経験した事例でいくとセッションの途中であるクライアントが無意識に口調が強く、即答した場面がありました。
そのとき私は「今、口調強かったし、即答したね」というフィードバックをさせていただいたのですが、人や所によってはYOU メッセージも活用できるということです。
WE メッセージ
WE メッセージはWEが主語です。
例)
タイプ別の伝え方
フィードバックをするときに、意識していることは他にもあります。フィードバックを通して相手に何かギフトとなる気付きが生まれたり、機能することが目的です。
ですので、相手が受け取りやすい方法で伝えることが重要。コミュニケーションタイプを意識して伝えることも効果的です。
コミュニケーションタイプについては
➤コミュニケーションタイプとは こちらの記事で確認してください。
- アナライザー(アナリティカルな人):具体的に、客観的な事実を挙げて伝える。事実ベースで。
- コントローラー(ドライビング):率直が好きなので、そのままズバッと伝える。成果を出すのに、率直な意見は必要だと思っているので。
- プロモーター(エクスプレッシブ):影響性を全面に出して伝える。
- サポーター(エミアブル):承認の言葉のあとに伝える。クッション言葉があると受け取り易い。
といった感じです。
コミュニケーションタイプは、大方このタイプだろうと初対面の人でも判断することができます。詳細な診断がなくても使いやすいです。
コーチングセッションに対してフィードバックするとき(コーチ向け)
ここからはコーチをしている人向けになりますが、マネージャー職の方や、コミュニケーションにも使っていただけるかもしれません。
特に職場でのコミュニケーションにおけるフィードバックについて探している人はリンク先をご覧ください。
➤詳細版:上司が部下へフィードバックするときのコツ
コーチになってある程度年数が経ってくると、他の人の行うコーチングセッションについてフィードバックをする機会が増えてくると思います。
私は、このフィードバックのときに、「感想」になってしまっていると言われたことがあります…。そのときに、セッションへのフィードバックのこつをMCCのコーチから教えていただきました。
今私はそれを元にいつもメモを取ってフィードバックしています。最近はフィードバックが分かりやすいと、他のコーチやオンライントレーニングの受講生に言っていただけるようになりました。
写真
コーチングセッションへのフィードバックのコツは
- コーチがしたこと
- クライアントへの影響
==========以下はあればもっとよい====== - 改善策の例(わたしならこうするかも?)
この順で伝えることです。
例えば、クローズドクエスチョンを多用していたセッションでそれによって、クライアントが話しにくそうだったとか、クライアントが質問待ちをしているようなセッションがあったとします。
その場合は、
- コーチがクローズドクエスチョンを多用していた。
- クライアントがセッションを方向づけようとしているような印象を受けた。クライアントは沈黙の時間が多く話にくそうで、クライアントが自ら話すより、質問待ちをする姿勢となることに繋がっていた可能性がある。
- ~とかありますか?というクローズドクエスチョンを~についてどう思ったんですか?というように、返るといいかもしれない。
こんな感じでフィードバックします。
これに慣れてくると、すんなり伝わりやすいフィードバックができるようになるかもしれません。参考までに。
フィードバックに関しては以上です。